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皆様のお役に立つ、業務に関するホットな情報、法律改正等に関する情報を提供いたします。

今回は、知っておきたい社会保険の基礎知識についてご説明致します。

目次

海外療養費について埋葬料について

海外療養費について

(以下は基本的に協会けんぽに加入の場合の説明となります。健康保険組合加入の場合は異なる可能性がございます。)

①海外療養費制度の概要
-海外療養費制度は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどにより、やむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。

具体的には、まず、海外の医療機関の窓口で全額を支払います。その後、日本に戻ってから、「療養費支給申請書」および必要な添付書類(例えば、診療内容明細書(医科の場合)、領収明細書(歯科の場合)、領収書の原本、渡航期間がわかるパスポート等の写し、海外で診療等を受けた医療機関等に照会することの同意書など)を用意して、協会けんぽ等へ申請をします。そして、審査を経て海外療養費が支給されます。

②給付の範囲及び支給金額(払い戻し額)
-給付の範囲
海外療養費の対象となるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。そのため、臓器移植、人工授精などの不妊治療、美容整形やインプラントなど、日本国内で保険適用となっていない医療行為や薬が使用された場合は、給付の対象となりません。また、医療(治療)を目的で海外へ渡航し診療を受けた場合は、支給対象となりません。日本で実施できない診療(治療)を行った場合でも、保険給付の対象となりません。
-支給金額(払い戻し額)
日本国内の医療機関等で同じ病気やけがを治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額の方が低いときはその額)から、自己負担相当額(患者負担分)を差し引いた額を支給します。
なお、外貨で支払われた医療費については、支給決定日の外国為替換算率を用いて円に換算して支給金額が算出されます。また、日本と海外での医療体制や治療方法等が異なるため、海外で支払った総額から自己負担相当額を差し引いた額よりも、支給金額が大幅に少なくなる場合があることをご留意願います。

③その他の注意点
・海外で支払った日の翌日から2年を経過した日をもって、申請する権利がなくなります(消滅時効にかかります)。
・海外療養費の審査には、被保険者や医療機関等に照会(問い合わせ)することがありますので、時間がかかる場合があります。
・海外療養費の支給は、海外への直接送金はできません。事業主または日本在住のご家族に受け取りを委任してください。

埋葬料について

①埋葬料とは
以下の金額は協会けんぽの場合です。健康保険組合の場合は付加金などが追加される場合があり、若干違った内容となる場合があります。
-被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持され、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に埋葬料(5万円)の範囲で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

②申請書類等
-「健康保険埋葬料(費)支給申請書」を協会けんぽや健康保険組合等へ提出して申請をします。添付書類としては、事業主による死亡の証明書または死亡診断書等のコピーなどです。

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