ご挨拶

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今回は、年金の受給要件の緩和について説明いたします。

目次

老齢基礎年金の受給要件とは?厚生年金のメリットについて

◆老齢基礎年金の受給要件とは?

●老齢基礎年金の受給に必要な保険料の納付期間のことを、受給要件と言います。これまで、年金(基礎年金及び厚生年金)の支給を受けるのに必要な納付期間は、25年(正確には300月)でした。しかし、今月の16日、これを10年(正確には120月)に短縮する改正年金機能強化法が、国会の参院本会議において全会一致で可決、成立しました。

●10年(120月)に該当する期間とは?

[1]厚生年金又は国民年金(基礎年金)を納付した期間
→これは、ある意味で当然のことと思われます。しかし、例えば専業主婦の方が、国民年金(基礎年金)の第3号被保険者になった場合、保険料を納付する必要がありません。夫がサラリーマンであって社会保険(厚生年金)に加入している場合、多くの配偶者の方は、扶養親族となっていると思います。これが、第3号被保険者です。そして、第3号被保険者であった期間は、国民年金(基礎年金)の保険料を納付した期間に含まれます。納付した期間として計算されるので、3番の合算対象期間とは異なり、国民年金(基礎年金)の受給額に反映されることが大きなポイントです。[2]免除期間
→国民年金(基礎年金)の保険料の免除には、法定免除(生活保護家庭や障害者の方など)、や経済的困窮を理由とする免除(全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、納付猶予)、その他に、学生納付特例があります。これらの期間も、年金の受給要件に必要とされる120月に含まれます。[3]合算対象期間
→合算対象期間とは、通称「カラ期間」と呼ばれるもので、年金の受給に必要な120月に含まれますが、年金額には反映されません。
この合算対象期間には、多岐にわたり、様々なケースがあるため、その全てをここでご説明することはできませんのでご了承ください。

とりわけ、日本へ帰化をされた方、或いは永住者の在留資格を取得された外国人の方の場合、次の二点にご注意願います。
・1981年以前の在日期間で20歳以上60歳未満であった期間。1981年以前は、外国人の方は年金に加入する資格がなかったことを考慮したものです。
・帰化や永住許可を受ける前の期間で、海外に居住していた期間
もう少し正確に言いますと、1961年4月以降という条件が加わります。例えば、25歳でお仕事のビザで来日して、30歳で日本に帰化した方を考えてみましょう。この方の場合は、20歳から25歳までの5年間は合算対象期間(カラ期間)です。そして、25歳から30歳までの5年間、会社で社会保険に加入したならば、厚生年金の保険料納付済み期間となります。この二つの期間を合算したならば、10年(120月)の受給要件を満たすことになります。すると、この方は、その時点で、年金の受給要件を満たすことになります。もちろん、金額は多いとは言えないかもしれませんが、老齢年金は受給できる場合、生きている限り支払いを受けることができますので、損にはならないケースが多いのではないかと思います。

◆厚生年金のメリットについて

● 障害厚生年金
負傷などによって障害を負った場合、一定の条件を満たす場合、障害厚生年金が支給されます。
● 遺族厚生年金
厚生年金の被保険者が亡くなった場合、その配偶者や子に対して、一定の条件を満たす場合に遺族厚生年金が支給されます。
上記、いずれの場合も、国民年金(基礎年金)よりも支給が手厚くなっています。

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