ご挨拶

日頃は多くのご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。この度、本年(平成28年)1月より業務増大などに伴い、当事務所は社会保険労務士業務を独立させ、法人化し社会保険労務士法人COSMOを設立させ業務を行うこととなりました。

当事務所では、これまで皆様に定期的に業務に役立つ情報を提供してきましたが、今回の組織改編を経て、ニュースの発行元を社会保険労務士法人COSMOとし、「労務管理・社会保険・給与計算」などに関するNews配信をすることといたします。なおこれまでニュースとして扱ってきました、「在留資格(ビザ)」「会社法務」業務情報に関しましては、既存のLegal Office COSMOPOLITANから必要に応じて、配信する予定です。皆様の業務の一助となれば幸いです。

皆様のお役に立つ、業務に関するホットな情報、法律改正等に関する情報を提供いたします。

今回は、時間外労働の制限に関する基準についてご説明いたします。

目次

36協定とは時間外労働・休日労働の限度について割増賃金の支払いについてその他の注意点について

36協定とは

① 労働基準法では、1日および1週間の労働時間ならびに休日日数を定めています。そこで、会社が、労働時間を延長して時間外労働をさせる場合、或いは休日労働をさせる場合は、労働基準法第36条で定める協定を締結することが必要となります。

② この協定は、労働者の過半数で組織された労働組合がある場合はその労働組合、無い場合は、労働者の過半数を代表とする者との書面による合意を結び、労働基準監督署長に届け出ることが必要となります。

③ 協定で定めなければならない必要事項は、「(1)時間外労働をさせる必要のある具体的な事由、業務の種類、労働者の数」、「(2)1日について延長することができる時間」、「(3)1日を超える一定の期間(3か月以内)について延長することができる時間」、「(4)有効期間(例えば1年)」です。

時間外労働・休日労働の限度について

① 労働基準法では、労働時間は1日8時間、1週40時間までと定められています。しかし、36協定を締結することによって、例えば1か月45時間、1年360時間を限度として、時間外労働が可能となります(労働省告示「労働時間の延長の限度に関する基準」)。

② 特別条項付き36協定の場合

特別な事態が予想される場合には、「特別条項付き36協定」を結ぶことによって、

更に①の限度を超えた時間外労働を定めることができます。延長時間は、1か月60時間、1年420時間までとすることが可能となります。この場合の特別な事態とは、予算・決算業務、ボーナス商戦に伴う業務の繁忙、納期がひっ迫している、大規模なクレームへの対応、機械のトラブルへの対応など、具体的な事由を定めることが必要になります。つまり、単に業務の都合上必要であるとき、業務が繁忙のときなどの漠然とした内容では不十分です。また、1か月45時間を超えて残業ができると定めたとしても、それには限度があって、例えば、有効期間を1年とした場合には、その半分、つまり年間でも6か月が上限とされていますので、ご注意願います。

割増賃金の支払いについて

① 時間外労働と休日労働については、割増賃金の支払いが必要です。時間外労働の割増賃金率は25%以上、休日労働の割増賃金率は35%以上となります。

② 特別条項付き36協定を結ぶ場合には、就業規則にも新しい割増賃金を規定する必要があります(労働基準法第89条第2号)。具体的には、月60時間を超える時間外労働については、50%以上の割増賃金率であることを就業規則に明記しなければなりません(中小企業は適用が猶予されています)。

③ 特別条項付36協定における50%以上の割増賃金率が猶予される中小企業とは、次のとおりです。
なお、猶予措置は、平成31年4月までの予定です。

(1)小売業 資本金5,000万円以下、又は常時使用する労働者数が50人以下
(2)サービス業 資本金5,000万円以下、又は常時使用する労働者数が100人以下
(3)卸売業 資本金1億円以下、又は常時使用する労働者数が100人以下
(4)その他 資本金3億円以下、又は常時使用する労働者数が300人以下

その他の注意点について

36協定については、就業規則その他各種の労使協定と同様に、常時各作業場の見やすい場所への備え付け、書面を交付する等の方法により、労働者に周知する必要があります。

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当事務所では、事業主及び従業員の労務管理、社会・労働保険手続き、給与計算などに関してサポート致します。お気軽にご相談ください。