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今回は、最近の労災保険及び社会保険の改正についてご説明致します。

目次

協会けんぽの保険料率改定について協会けんぽの保険料率改定について労災保険の通勤災害保護制度の変更について

◆協会けんぽの保険料率改定について

●健康保険は、病気やけが、またはそれによる休業、出産や死亡といった事態に備える公的な医療保険制度です。サラリーマンなど、民間企業に勤めている方とそのご家族が加入する制度で、被保険者(勤めている人)と事業主が保険料を負担しています。協会けんぽでは、平成21年9月から、都道府県ごとに保険料率を設定しています。そして、都道府県ごとの保険料率は、地域(都道府県)の加入者の医療費に基づいて算出されます。医療費が上がれば、その都道府県の保険料率は上がり、反対に、医療費が下がれば、保険料率も下げることが可能な仕組みとなっています。

●具体的な保険料率の改定

協会けんぽでは、毎年3月分(4月納付分)から健康保険料、介護保険料の見直しを行います。平成29年度の主な支部の健康保険料率は、次のとおりです。

東京: 9.96%→9.91%   神奈川: 9.97%→9.93%
千葉: 9.93%→9.89%   埼玉: 9.91%→9.87%

なお、介護保険料(40歳から64歳までの方)は、全国一律の保険料率となっています。29年度は、1.58%から1.65%に引き上げられます。

◆雇用保険法の改正について

●平成29年度の雇用保険料率改定
-政府は、平成29年度雇用保険料率を引き下げるための法律案を国会に提出しました。これは、失業等給付の雇用保険料率を労働者負担、事業主負担ともに、1/1000ずつ引き下げるというものです。

●具体的な雇用保険料率の改定
-仮に、法律案の内容が修正されずに国会で成立した場合、平成29年4月1日から平成30年3月31日までの雇用保険料率は下表のとおりとなります。

● その他の制度変更案
①倒産・解雇等により離職した者の所定給付日数の引き上げ〔30歳から35歳未満:90日→120日、35歳から45歳未満: 90日→150日〕(平成29年4月1日施行)
②賃金日額の上・下限額等の引上げ(平成29年8月1日施行)
③専門実践教育訓練給付の給付率の引上げ〔費用の最大60%→70%〕(平成30年1月1日施行)
④育児休業給付の支給期間の延長〔保育所に入れない場合等 1歳6カ月まで→2歳まで〕(平成29年10月1日施行)

◆労災保険の通勤災害保護制度の変更について

●労災保険では、通勤途中の事故におる負傷、疾病、障害または死亡について、通勤災害として労災補償の対象としています。しかし、合理的な通勤経路から逸脱、中断した場合には、原則として労災補償の対象となりません。ただし、それには例外があって、日常生活上必要な行為のために、合理的な通勤経路を逸脱・中断した場合には、労災補償が適用となります。今回の改正では、あらたに、「同居・扶養していない孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護のため、合理的な通勤経路を逸脱・中断した場合」も労災補償の対象になりました(平成29年1月1日施行)。

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